ちょっと気になるパワーの話
第4弾

“負荷を掛けて計測するとパワーは低く出るの!?”


ダ※※パックは負荷を掛けて計測するのでパワーが低く出る・・・

うちのシャシダイは 負荷のかかり方が大きく日本一辛いから 
正確です・・・・

負荷がかかるとパワーが低く出る・・・・・。

まったく根拠がありません
自動車メーカーが嘘をついていると言うことでしょうか?

エンジンを作っている工場でテストするときは 
エンジンに掛けられる最大負荷を掛けてテストしています。
その結果が 市販車としてカタログ等に表示されているパワーなのです。


エンジンのパワーって何でしょう? パワーは 通常 
BHP,HP,PS,KW,推進力 などで表示されることが多いですが
原動機(エンジン)の能力の大きさを表す数値です。

エンジンには大きく分けて 発生したパワーを軸の回転に変換するものと
直接推力に変換するもの(ジェットエンジン、ロケットエンジン など)
があります。
どれも 燃料と空気(酸素)の混合ガスを燃焼させてその爆発により
発生した圧力を利用します。

たとえば レシプロのエンジンの場合
 発生した圧力によってピストンを押し下げクランクシャフトを回転させます。

ここでは パワーを回転エネルギーにするエンジンについて紹介します。

前にご紹介しましたように 燃焼室内で爆発して発生した圧力は
シリンダー内でピストンを押し下げる力になります。 
この押し下げる力はトルクに、速さは回転数になります。
(エンジンの機構に関して詳しく知りたい方は勉強してください。)

では パワーは どうやって測るのでしょう?
エンジンの出力軸(単体の場合クランク軸、車載状態の場合車軸)の
回転数とその軸トルクを測ります。
パワーとして算出する計算式は次のようになります。

パワー(PS) = 回転数(rpm) × トルク(kgm) ÷716.2

エンジン単体の場合は回転数はクランクシャフトの回転数になりますが
車軸では ミッション、デフを経由した回転数となり 
1/3 以下の回転数となることが多いのです。
当然、回転数が少なくなった分トルクは大きくなりますので
計算上のパワーは同じになります。

但し ミッション、デフを経由するため その部分での ロスが発生します。
最近のミッションの機械効率は 0.94~0.92といわれています。
デフに付いては その構造により変わりますが同じ程度か
さらに大きなロスとなります。

車軸で算出された値に駆動系のロス分を上乗せした値は
エンジン単体で計測した値とほぼ同じにならなければなりません。
エネルギーの総量は同じですから 当然ですが

すでにお気づきの方もおられると思いますが
ダ※※パック など車軸に取り付けて計測するタイプがパワーを
低く算出する原因は この駆動系のロスです。
もし 駆動系のロス以上にパワーを低く算出するとしたら 異常です。

いつも問題になる話ですが 
ダ※※パックは 算出されたパワーに 1.2~1.25を掛けたものが
ローラータイプで算出された値と同じ・・・・・・。
これは 
ダ※※パックを販売する商社や
力の無いチューニングショップの逃げ口上で
雑誌等が言われるまま掲載することに問題があります。

通常の駆動系のロスは ミッション、デフで せいぜい15%程度と
考えると だまされているのは ユーザーだけということになります。


本題に戻りまして
シャシダイナモメーターは 馬力を測るための ハカリ です。
算出する値は 500psの馬力は 500psと表示するのが当たり前です。
多く表示したり少なく表示する ハカリ は正確なハカリとはいえません。
勿論 チューニング中には 正確なパワー表示 が必要でない場合もあります。

しかし ダイエット中の女性が
体重を低く表示されて 嬉しいのとは違います。

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